敵だと思ってた人がいざという時に助けてくれる話。
ドラえもんでも少女漫画でも、主人公の敵やいじめっ子が終盤になって助けてくれた…という展開がありがち。
ドラマを観ていても、「どうせこの子後で味方になるでしょ」って感づくことがある。
これって作り物の中だけだと思いがちだけど、ふと思い出した幼稚園の頃の思い出に考えさせられた。
クラスのキツい女の子
私は子どもの頃、おてんばで元気だった。誰にでも話しかけたし、率先して皆を引っ張っていく様な存在だった。
だけど今でも覚えている『クラスのキツい女の子』の存在。
いつも笑わずに、私よりもズバッと思ったことを全て言うような性格の子。
私でさえもあまり話さなかった気がする。
正直、怖いという印象があった。
だけどそんな私を救ってくれたのは彼女だった。
その幼稚園では、『裸足で園内を回って作り物の遊具で遊ぶ日』なるものがあった。
裸足で教室を回るって楽しいよね。私も1人で色んな教室を回って遊んだ。
そんな時、私の足の裏にある物が刺さった。
画鋲だった。
私は何が起こったのかわからず、とりあえず足の裏を見た。
すると完全にブスっと刺さった画鋲。赤く染まったその部分。
今思えば見た目はグロテスクだったが、当時はそんなに痛みも無く、「あ、刺さった」という感じだった。
どうしようかと思っていると、通りかかった例のキツい女の子が
「大変!先生呼んでくる!」
と言ってすぐに担任を呼んできてくれた。
その後すぐに処置をして貰い、帰った母に驚かれながらも、今では綺麗な足の裏である。
帰宅して私は母に言った。
「いつもキツくて怖いクラスの○○ちゃんがすぐに先生を呼んできてくれた」
それ以来私は彼女を優しい子だとみるようになったし、感謝をしている。
この出来事をたまに思い出す。
『人は見た目で判断してはならない』とよく言われるが、見た目だけではなく、いかにも性格が悪く感じる人であっても、いざという時には助けてくれる人がいるのだと私は学んだ。
彼女はただ不器用なだけだったのではないかと今では思う。どんな大人になったのかな。
私は事情によりすぐに転校した為、その後どうなったか分からないが、その幼稚園の裸足デーはきっと無くなっただろう…